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リオ五輪 オープンウォータースイムが話題になる

オープンウォータースイムは、自然の水の中で行われる長距離水泳競技

 

オープンウォータースイムについてイロイロ聞かれる

今朝は出勤したら、いきなりオープンウォータースイムって面白いですねとあちこちの人に話しかけられる。15日に行われた競泳女子10kmマラソン(日本語の正式名称)がかなり衝撃的だったようだ。

わたしがトライアスロンをカジっているのでをみんなが知っているので、とりあえず聞いてみようと思ったらしい。

トライスロンではアイアンマンが3.8km佐渡ヶ島で行われるアストロマンでも3.9kmなので倍以上長い。

オープンウォータースイム、屋根のない屋外でのスイム。つまり海や川、湖といった、自然の水の中で行われる長距離水泳競技のこと。

 

オープンウォータースイムとは?泳いだらどんな感じなの?

オープンウォータースイムが話題になったせいか、あちこちのサイトに、給水が釣りみたい、周りの確認に背泳ぎをするなどの情報が出ている。
なので、私は自分の経験からオープンウォータースイムがどんな感じなのか伝えてみたい。
10kmは泳いだことがないが、3.9kmなら海で泳いだことがある。それでも十分長いだろう。

まず、多くの人が利用したり見たりしたことがある屋内プールと、コンディションの違いを列挙しよう。

 オープンウォータースイムにないもの

・壁なし
・コースロープなし
・ブールの底の白線なし
・温水施設なし
・観客なし
・時計なし

オープンウォータースイムにあるもの

・波あり
・風あり
・潮流あり
・浮遊物あり
・水棲生物あり
・他選手との接触あり
・給水あり

その他に大きく違うのは深さ。
北海道の洞爺湖を泳いだことがあるが、とても深くて最深部では180mある。水の透明度の高さもあって、空を飛んでいるような錯覚におちいる。
高所恐怖症の人は水中なのに高いところにいるのと同じ恐怖を感じるそうだ。

 

オープンウォータースイムとプールスイムでは技術的に何が違うの?

コンディション(条件)がプールのスイムと違うから、技術的にもいろいろな違いが出てくる。


プールのスイムと最も違うのは、サイティングが必要になること。
サイティングとは、周りをみて自分が進む方向を確認することだ。

海や湖では、コースロープもなければ白線もない、なのに波や潮流で流される。だから、水上にあるものを目安にして泳ぐ方向の修正をする必要がある。
自然の影響だけでなく、そもそもまっすぐ泳ぐのは結構難しい。プールの競泳を見ていればわかるが、コースロープに寄って泳いている選手がいる。オリンピックに出るくらいのアスリートでも曲がってしまうことがあるのだ。

オリンピアンもわたしたちもプールで泳ぐ時は目で白線を追って、泳ぐ向きを無意識で調整している。目をつぶって泳ぐと、まったく狙った方向に泳げないことがわかるだろう。


そんなわけで、ヘッドアップクロールという泳法を身につける必要がる。

 

www.youtube.com
16秒あたりからヘッドアップを開始。57秒あたりが正面から映っていてわかりやすい。

 

次に、スタートが違う。飛び込みは基本的にないようだ。
「ようだ」と書いたのは、幾つかの映像を見る限りなかったことと、オリンピック競技のトライアスロンでは飛び込みがあるので、判断が難しいからだ。状況によるかもしれない。

飛び込まない場合は、フローティングスタートという浮いている状態からスタートか、ビーチエントリーといって砂浜から走って海に入るところからスタートする。

フローティングスタートでは、トップスピードにあげるための筋力が必要になる。
ビーチエントリーではドルフィンスルーという技術とニーアップして走る技術が必要。また、入水前に極端に心拍数をあげないようすにる配慮も必要だ。

その他、泳ぎ方としては、ピッチが違う場合がある。

ピッチとは一定期間に繰り返す回数のことだ。
クロールで効率よく泳ぐこととは、手で水を押して推進力を得たら、最も水の抵抗が少ない体型を維持して、より多く前に進むことである。
ひとかきで長い距離をすすむことができれば、腕をまわす回数が少なくて効率がよい。つまりピッチが少ないのだ。

例えば、50mを1分で泳ぐ場合、30回腕を回すのと25回腕をまわすのでは、後者の方が効率が良いと言える。(同じ時間で泳げないとピッチを比べる意味がない)

しかし、潮流が逆向きの場合は、ピッチを多くして推進力をたくさん得ないと前にすすまない。
ピッチが多いと運動量がふえて心拍数が上がりやすくなり、スタミナに影響する。

このあたりの調整力や技術力が結果に影響するだろう。

 

オープンウォータースイムをするときに気をつけることは?

自然が相手のオープンウォータースイムなので、いろいろ気をつけておくことがある

1.潮の流れを調べる。
海に入ったらプカーンと浮いてみる。まず最初に浮いた状態で周りの景色を記憶し、1~2分くらい経ったら、もう一度周りを見る。

ほとんどの場合、流されているのでおおまかな潮流を知ることができる。
潮流がわかっていれば泳ぐ方向を修正するのに役に立つ。

2.海水なら味を見る
気持ち悪いようでも、海水を一度口に含んでおいた方がよい。どんなに避けても海水は水にはいるので、あらかじめ塩分に慣れておいた方が良い。

3.湖なら臭いになれる
湖は海に比べて臭いがきつい場合がある。ウォームアップで慣れておく必要がある。

4.事前に、水分は多めにとっておく
水の中の競技なのでわかりにくいが、考えているよりずっと汗をかくのが水泳。泳ぎだしたら長時間給水できないので、ウォーターローディングは必要。

5.水生生物との遭遇に備える
といっても防ぎ用がない場合もあるが、クラゲはとても痛いので、クラゲよけクリームを塗ってみる。

 

今回は、調べたことより経験をもとに書いてみた。
違うよってことがあれば教えてください。

 

2016/8/17 追記

リオ五輪、男子のオープンウォータースイムは、集団でのゴールスプリント勝負になった。
2時間近く泳いできたのに、最後がタッチの差というは、なんだか自転車のロードレースに似ている。

で、思い出したのだが、実はスイムにもドラフティングの効果はある。

ドラフティングは、スリップストリームと同意語で、前を行く選手の後ろにつくことで、楽に同じスピードが維持できる現象をいう。自転車だと、先頭を走る選手の空気抵抗を100とすると、2番目の選手は80、3番目の選手は60になると言われている。

自転車は空気抵抗との戦い。スイムは水の抵抗との戦い。

競泳のドラフティングでどこまで抵抗が減るか定かではないが、誰かの後ろを泳いで体力をためておくことで、ゴールスプリントが有利になることはありえる。